草刈りに、手鎌は必要だ ――自走式草刈り機と刈払機、それぞれの持ち場――

少し前、自走式草刈り機「WGC530 PLUS」を導入した。

刈払機(手持ち式)だと4日はかかっていた敷地の草刈りが、この機械のおかげでぐっと早くなる。そう喜んで、内心「1日で終わるようになるかもしれない」とさえ思っていた。

実際に使い込んでみると、かかる日数は2日だった。予想よりは少し長いが、それでも半分になったのだから、文明の利器のありがたさは変わらない。広い面積を、これまでよりずっと少ない労力で刈れるようになった。

■ 機械には、届かない場所がある

ただ、使ってみてわかったのは、自走式草刈り機だけで敷地のすべてが片づくわけではない、ということだった。斜面や、入り組んだ細かい場所は、機械の重さやバランスの都合で、無理に攻めない方がいい。そういう場所は、結局、刈払機の出番になる。

刈払機にしても、刃はひとつではない。チップソー、ナイロンコード。地面の状態や刈る対象に合わせて、その日ごとに使い分けている。

■ それでも、最後は手鎌に頼る場所がある

さらにもう一段、注意が必要な場所になると、刈払機でも手に余る。廃材を置いてある周りは、機械を振り回せば木材にぶつけてしまいかねない。犬走りのきわ、コンクリートと土の境目も、刃を地面すれすれまで入れるとコンクリートを傷めてしまう。角や斜面の細かな部分も同じだ。

草刈前
草刈後

こういう場所は、しゃがみ込んで、一本一本、手鎌で刈っていく。時間はかかるが、機械では出せない加減がある。とくに手をかけたいのは、ロープが張ってあるところや、育てている作物のすぐわきだ。自然農の畑では、作物と雑草がすぐそばで絡み合うようにして育っている。機械の刃が触れた瞬間に、大事なものを傷つけてしまう場所ばかりで、こういうところこそ、手鎌が一番活躍する。

草刈前
草刈後

■ 機械と手仕事、それぞれの持ち場

自走式草刈り機を導入したとき、「これで草刈りの手間からだいぶ解放される」と思っていた。実際、広い面積を刈る速さは、機械にしかできないものだ。

けれど使ってみて気づいたのは、機械が速くなるほど、逆に「ここは手でやるしかない」という場所がはっきり見えてくる、ということだった。効率化した分、手をかけるべき場所に、より丁寧に向き合えるようになった、とも言える。

機械には、機械にしかできない速さがある。
手鎌には、手鎌にしかできない細やかさがある。

どちらか一方で済ませようとするのではなく、それぞれの持ち場を見極めて、両方をありがたく使わせてもらう。草刈りひとつにも、そういう向き合い方があるのかもしれない。


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